総じてW社はPBの販売比率は高くない。 W社のPBはNBの隙間を埋めるニッチ商品として開発されているからだ。
利益向上を目的にした自社ブランド商品の開発は行わず、商品のクオリティと売価設定の隙間を埋めることが目的だ。 米国では、メーカーが何らかの理由で販売を中止したブランドをリテイラーが買い取って販売を継続することもある。

99年日本でもお馴染みのブランドP&G(プロクター・アンドーギャンブル)が、生産中止した紙おむつブランドをWマートは買い取ったことがある。 日本ではこうしたケースはほとんどないが、あの懐かしいブランドがWマートで見つかったというようなことが起こるかもしれない。
アメリカにはPBブランドの専門誌がある。 メーカーも積極的にPB生産に応じている。
こうした専門誌からW社は第一回の読者賞(97年)を受けた。 PB開発力は高く評価されているのだ。
W社はPB開発に着する際、次の要求を出す。 ①商品の品質。
②供給体制。 ③安い納入価格の要求。
①の品質管理は二段階で行われ、まず厳しい基準を設定して外部のテスト機関に委託、合格したものを社内で再度テストしてから発売を決定する。 供給体制にも神経を使う。
商品の開発段階からサプライヤーと真のパートナーシップを結び密接な連携をとり、急速に増加する店舗致や販売促進のタイミングを考慮しながら適切に商品供給を行っていく。 しかも、消費者心理として、PBというと「安かろう悪かろう」と疑問を持ちがちだ。

それにリテイラー心理としてNBブランドの売れ筋商品のパッケージやデザイン、昧などをギリギリの線までマネて類似品を作りたがるものだが、W社はこの手法はとらない。 あくまでW社のポリシーは「品質を向上させて、価格も下げる」というものだ。
もちろん、日本でも無印良品(良品計画)が、こうした低価格、高品質PB開発に先鞭を付け、日本でもかつての「安かろう、悪かろう」という概念は取っ払われた。 だからPBへの信頼は以前よび高い。
こうしたPBに対する日本人の意識の変化はW社もとらえているが、それでも売り上げを伸ばすのに、PBを多用するのは考えものだとWマートはとらえる。 アメリカのリテイラーはとかくその歴史があるだけに、PB開発力にすぐれていればいるほど陥りやすいワナがある。
売り上げと利益低迷に悩むとすぐにPBで何とか乗り切ろうとすることだ。 PBの売上構成比が20%を超えた辺りから利益貢献度は急速に落ちるのは、日米小売業界で共通する傾向だ。
自社ブランドは粗利が高いために利益商品だと錯覚しがちだが、開発や在庫リスク、販促など諸費用や売れ残りを計算するとマイナスになるものも少なくない。

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